Monster

「冷たいねぇ、相変わらず…。」



 にやにやしながら、兄が言う。



「まぁでも、今日のところはここまでにしとくわ。正直、よがり声も出ねぇ女抱きたくねぇし。」




 予想外の兄の言葉に、思わず兄の方を向くと、すでにリビングから出た後だった。




 …馬鹿みたい、と思った。





 兄ではなく、自分のことが。



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