鬼ごっこ~歪む恋心の行く末~【fin】
感覚が、
何もかも消えていく中で
あたしはただただ悲しんだ。
「ねえ、真樋くん。」
身体が消えて、
首だけになって、
あたしは言った。
「好きだよ?」
そして、
もうひとつ、
「だから、」
そこで
あたしの体は完全に消えた。
でも、
あたしはそんなことを気にしないで、
もうない口でこう言った。
『絶対に連れて行くから。』
そうして
あたしの意識は完全になくなって、
暗い暗い闇色に塗り替えられた。