鬼ごっこ~歪む恋心の行く末~【fin】
卒業式の帰り、
親に置いていかれ
仕方なく独り歩いて帰っていると、
後ろから、
何人かの、
誰かの呼吸をする音が聞こえた。
呼吸音は荒い。
きっと走っているのだろう。
呼吸音は近くなる。
そして、俺を追い抜かして行く。
俺は眼をみはった。
俺を追い抜かしていったのが、
彼女だったことに。
彼女のあとを
3人くらいに女子が追いかけている。
彼女の乱れた制服から察するに、
きっと彼女をいじめている奴らだろう。
3人とも一緒のクラスだった。
臆病者の俺は、
助けることも何もできずに、
ただただ、
そんな解釈をしていた。