夢でいいから(仮)



華耶は、少し涙がおさまると、また話し始めた。








「大学の入試の日だった。優奈ねぇは電車で受けに行こうとしたんだけど、玄関出たら
大きなリムジンがあって、『おはようございます、優奈様。大学までお送りいたしま
す。』って、そしたら優奈ねぇ乗っちゃったんだよね。だって、その運転手さんは、友く
んの使いの人だったから。そしたら、その車事故にあった。それで、死んじゃった。」












「...そっか...。」











返す言葉が、見つからない。













どうしていいのか、わかんないよ...。

















華耶を慰めてもいいのかな...。

















よけい、悲しくなっちゃうかな...。


















「友くんの、お父さんが、入試の日に優奈ねぇとの結婚許してくれたんだ。だから、リム
ジンが迎えに来た。友くん、責任感じちゃって。俺は一人で生きる、お父さんの力は借り
ない。って、今の喫茶店やってるんだ。」















「そっか...華耶も、友くんもいろんな思いがあって今があるんだね。」













「うん。優奈ねぇの夢をかなえるために、この大学入ったんだ。アナウンサーぢゃないけ
ど、あたし優奈ねぇと約束したんだぁ。将来モデルになるんだって。だから、優奈ねぇと
の約束を、絶対叶えてみせる!!」












そっか...華耶もちゃんと夢があるんだね。











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