甘いシロップと香辛料
ご飯も、においをかぐだけでだめ。
いつも、ももの缶詰を食べている。
もっと、
もっとおいしいものを食べたい。
薫と、前みたいに笑い合って楽しく…。
でも、そうすると襲い掛かる吐き気。
苦しい、苦しい、苦しい、苦しい!!
嫌だ、嫌だ、嫌だよ……。
なんで、こんにくるしいの…?
ボフッッ!!!
思いっきり
クッションを床に投げつけた。
ご飯を食べていたかおるは驚いていた。
そして優しく、こっちに近づいてきた。
「咲?どうした?」
「嫌だ…」
「え?」
「嫌だ、嫌だ…。嫌だよ…。こんなに苦しいの、やだ…」
半泣きになりながら、優しい薫のてをゆすった。
こんなことしても、
薫が困るだけ。
ばかみたい。
わかってて、やってしまう。
でも、そんなとき
あなたが助けてくれるか。
助けてくれると信じてやっているんだよ?
ねぇ、薫…
助けて…。