甘いシロップと香辛料
ガチャ…。
ドアが開く音。
「ただいま」
そう聞こえた。
薫だ。
「おかえりー」
大きな声で言うと薫は懐かしい制服のまま駆け寄ってきて
優しく、おでこにキスを落とした。
そして2人で笑いあった。
「アユキ、元気?」
「うん、元気、元気!」
そういって、眠っているアユキを抱っこした。
ねぇ、薫?
ここまでくるまでに
辛かったり、
すれ違ったり
いろいろしたよね?
1回、
このかわいいわが子を
捨てようとも思ったよね?
でも、諦めなくてよかったよ。
これも全部薫のおかげだよ。
ありがとう、薫。
これからも、そばにいてね?
END