甘いシロップと香辛料
番外[episode.1]
紅茶は砂糖で
「ママー!」
家中に響き渡る声。
元気な4歳児の大声は朝から痛快。
「はいー?」
あたしは問題児のもとへ駆け寄る。
問題児、アユキは薫といた。
「どうしたの?」
「ね!パパに服かってもらったの!!」
アユキは、新しい赤と黒のチェックのパーカーを着こなしていた。
あたしはおもわず抱きしめた。
「かわいいー!似合ってる!」
「ほんと!やったー!」
無邪気に喜ぶアユキ。
笑った顔、薫そっくり。
「やっぱり、俺センスあるくない?」
後ろで笑う薫。
あたしはアユキを抱っこしながら薫のほうへ行った。
「うん、すごいセンスある!」