甘いシロップと香辛料
いちばん星、いちばんの思い
あたしは、あれ以来ユアと変な関係になったりはしていない。
でも、わかっていた。
ユアと薫の距離が少しずつ近くなっていくのが。
そして、なぜか薫があたしとの距離をあけているような気がした。
珍しく、ムシャクシャしている。
"――――ガンッ!!!………"
軽く机を蹴った。
人のいない放課後の教室で静かに消えてゆく音…。
あははっ…、なんだろ?
なんでこんなに悔しくて、悲しいくて、イライラするんだろ…。
なんか、バカみたい…。
ユアは友達じゃん??
親友ジャン??
親友の恋を邪魔していいの??
薫はユアのことスキかもしれないし…。
そしたら、2人の邪魔をしちゃいけなくない??
ユアは、今日薫と2人で帰っていった。
2人で遊ぶ約束をしたらしい…。
ねぇ…薫?
昔のこと覚えてる??
《咲は、我慢しすぎなんだよ!!もっと甘えればいいじゃん??辛くなったら俺が守ってやるし》
あたしが、泣いてしまったとき言われた言葉。
小学6年のころのこと。
あのときのこと覚えてる?