甘いシロップと香辛料




「あっ、ソウマ君は帰らないの?」




「えっ…、俺は…別に。」



「ふぅーん…一緒に帰る?」




「えっ?…いいよ」





あたしは前を向いて笑いながら立ち上がり鞄を持った。なんか、いつもの癖がでた…。



あたしが教室からでると、ソウマ君は追いかけてきた。
そして、ソウマ君と話しながら帰った。
なんか、わかる…。
ソウマ君は薫と同じように居心地がいい…。
でも、それに甘えちゃいけない…。
それは知っている。


あたしがスキなのは薫。
ほかの誰でもない…薫。
本当は…ずっと、ずっと前から知ってたのかも。
でも、押し込めたのかも…。
それは、ユアがスキになったから…?


自分の気持ちにふたをして、
地元をはなれた。
薫からはなれた。


そうして逃げた…。
自分の感情から…、
あのときのあたしは
恋をよくしらなかったのかも…。
それで、逃げた。



知らずに、楽なほうを選んでいたんだ…。
それで今、後悔してるのかな?
だったらただのバカだ。
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