甘いシロップと香辛料





学校のチャイムがなった。
あたしはそんなのも気にせずに屋上で倒れこんだ。
鞄は教室だけど…、どうせ入ってるのは教材だけ。
財布も携帯も持ってるし。
メイク道具は今日家…。



このまま、屋上の非常階段から降りようかな?
そしてカズヤたちのところに行こうと思った。




でもね…
逃げ出さないことに決めた。
変にユアたちに心配かけられない…。
あたしは屋上に寝そべり空を見上げていた。

雲がポツポツ浮いているだけのきれいな空。
透き通ってて、きれい。


風邪が吹く屋上…。
だれもいなくて…、町は静かで…

あたしの髪の毛が風に揺られる。
そんなにながくないけれど。



かすかに鼻をかすめる香水…。
カズヤにもらったものだ。




あたし、薫のことをスキっていいながら、今の薫のことをよくしらないんだ…。






ツ----…




ツ-------…






涙がながれた…。
空はこんなに晴れているのに、
涙でよくみえない…
なんど涙を拭いても、
拭いても、拭いても
零れ落ちてくる。

握りこぶしをつくって。
泣いた。。。





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