甘いシロップと香辛料
「咲ちゃん!!」
玄関近くで
ユアに呼び止められた。
ユア…今は話したくないよ…。
「泣いてるみたいだけど…大丈夫?薫クンは一緒じゃないの??」
薫。。。
その名前、今はユアの口から聞きたくない。
聞きたく…ないよ。
「薫は…一緒じゃない…」
あたしはそれだけ言って学校を飛び出した。
悲しかった…
薫はあたしをみてない…。
薫はユアを見ている…。
悲しかった…悔しかった…。
これって、いままでしてきたことの罰なのかな…??
もし、時間がもどせるなら、
きれいなときのあたしがいい…。
そしたら、もっと素直になれたかな??
薫にスキっていえたかな??
薫に積極的に話しかけられたカナ??
なんで今さら、
悔やんで、悔やんで、悔やんで、悔やんで
どうしようもないことなのに…。
「いまさら悔やんで…バカ…」
学校を飛び出したあたしは走ってあるところに向かった。