甘いシロップと香辛料
「…もしもし?」
『咲ッ!?どうした~??』
あたしが電話しているのはユミ。
ユミは突然の電話でも優しく対応してくれた。
「ユミ、家にいる…?」
『下まできてる??もしかして…』
「うん…」
『ちょっとまってて!迎え行く』
しばらくすると
セキュリュティー万能のマンションの自動ドアが開いた。
「咲!どうしたの!?」
「うん…来ちゃった…」
「早くはいろ!」
ユミはあたしを家の中に入れてくれた。
手馴れた手つきでエレベーターのボタンを押しユミの部屋に着いた。
家の中には、カズヤとタクトがすでにいた。
「咲~!!」
カズヤがいつもみたいに飛びついてくる。
でも、今日は払いのけなかった…。
そんなあたしに気づき、心配そうなカズヤ。
「…、咲?大丈夫?」
「う…うん…」