甘いシロップと香辛料
そうしてあたしが机に座りなおしたら、あたしのところに3人組の女子が来た。
「あのぉー、咲クンだよねぇ??」
「えっ…??」
甘い声であたしのことを"クン付け"で読んだ彼女。
振り向くと、そこには可愛らしい女の子がたっていた。
ユアと同じタイプの。
「あたしのこと知ってますかぁ??」
「えーっと、隣のクラスの…美由チャン?」
「知ってたのぉ!ミユかんげきぃ!」
その仔は周りの仔とキャッキャし始めた。
あたしはその様子をただ見ていた。
隣のクラスの 岩崎 ミユ。
茶色の髪に、ぱちくりした瞳。
いつも笑顔で、元気な仔。
男子からは好印象。大人気。
でも、男遊びはすごいと裏うわさで聞いた。
まぁ、外見からは創造できないけどね。
あたしがそんなことを考えていると・・・
「あっ、あのねぇ~…、お友達にぃ、なって!!」
ミユちゃんはきれいにネイルされた手を差し出してきた。
あたしは、すこし黙って、
「いいよっ」
そう笑顔で言った。
そうしたら、ミユちゃんはあたしのケーバンを聞き、満足したのか帰っていった。