甘いシロップと香辛料
次の日、ソウマが、咲と楽しく帰れた。
と報告してきた。
うれしいのだけど、
嫉妬の方が大きかった。
だって…、俺のほうが咲と一緒にいたのに、今はソウマのほうが近いなんて。
ポタッ………―――。
一滴、流れた雫。
晴天の今日は似合わない涙。
そう思っているとユアがやってきた。
今日は、咲と一緒ではなかった。
俺はユアと喋っていた。
「薫クン、昨日のストラップついてるぅ?」
「うん、ほらっ」
悲しいけど、無理に笑って会話をした。
ユアはわるくないけど…。
今は、わらえないよ…。
そのときだった、
ちょうど後ろのほうからドサッ…とゆう鞄が落ちるような音がした。
慌てて振り返ると、
咲がいつもつけているマフラーが一瞬見えた。
「咲ッ…!」