甘いシロップと香辛料




パシッ………―――。




その人物を追いかけようとしたが、腕をつかまれた。



「ユア………?」




「どうしたの?薫くん、いきなり」




そんなユアの声はどことなく震えているようだった。




「いや…、別に……」


そんなユアを見ると、追いかける気が少しうせてしまった。
でも、やっぱり咲かもしれない…。



「ユア、俺、トイレ行って来る」



「そっ…う?わかった」




ユアはいつもの笑顔でそういった。
でも、作っているようにも見える…。
ごめん…ユア。
俺は、やっぱりどうしても咲がスキみたいで、
咲じゃなきゃだめっぽい…。
< 57 / 123 >

この作品をシェア

pagetop