甘いシロップと香辛料

そのとき…


「咲…、?」



「わっ…!!」




突然、目の前にカズヤの顔があった。


「ごっ、めん。驚かせた?」



「…ううん」




そのまま、条件反射でカズヤとキスをした。
深いキス。
いつもは嫌じゃないよ?
でも、今は変な気分。
それは、薫を思っているから?


そんなことを考えていると、いつのまにかあたしは押し倒された。
彼氏だから普通なのに、
いつもなら、嫌じゃないのに…。
あたしは、カズヤの体を思いっきり突き飛ばしていた。



「っ…咲??」


「…ごっ、めん!!!」



我に返りあたしはカズヤに駆け寄ったが1人でカズヤは起き上がった。
そして、



「やっぱり、悔しいけど、お前はあのガキがスキなんだろ?」



「えっ…違うよ…カズヤ」



「自分に嘘つくことねーぞ?俺らはいつでも側にいるから」



そういい、あたしを抱きしめた。




………あぁ…、この人は、
とても優しい人なんだ。


好きな人の幸せを最優先に考えられる。
あたしには…無理な大人な考え。


ありがとう、カズヤ。
カズヤがいなかったら、今のあたしはいないかもね…。



「ありがと…」

うまくいえないお礼を言った。
そしてあたしはカズヤの家を出た。
そして向かった、
1人の人のもとへ