甘いシロップと香辛料
緊張しながら、部屋のドアを開けた。
「おぉ!2人とも!」
明るい声が聞こえてきた。
薫の声だった。
「咲、具合大丈夫なの?」
心配そうにソウマが言う。
「うん、大丈夫」
そしてあたしとユアは部屋に入った。
あたしは薫の前に座った。
「話って、なんだ?」
薫があたしの見てきた。
薫がその言葉を言うと、ソウマとユアも黙り込んだ。
あたしの手…震えてるよ……。
いいだせなくて、最初の言葉がいえない。
そんなとき、ユアがあたしの肩を抱いてくれた。
「あっ…たしね、薫…。妊娠、してた…」
「えっ……、」
あたしの言葉に、部屋中の空気が変わった。
あたしはすごく、怖かった。
震えがとまらなくて、
どうして…?
こんな臆病なはずじゃ…、
でも、薫が承諾しなきゃ赤ちゃんは生めない。
あたしは、この子を守りたいよ…。