甘いシロップと香辛料




あたしは、もう声にならないような声で訴えた。



「あたし…生みたい…。薫の子…なんだよ…」





その瞬間、
ふわっっ…と薫があたしを包み込んだ。
そして優しく抱かれた。




「俺の子…?生んでくれるの…??」




すごい、幸せが混ざったような声。
薫はあたしの頭を優しくなでた。



「俺達の子?生もう!俺、育てるよ!なんでもする!!」



薫はすごい喜んでくれた。
そしてあたしは泣き出してしまった。




「薫…っ、薫………」






生んでいいんだね?
薫とあたしの子供。
生んでいいんだよね…、

2人で育てていこうね。




「絶対幸せにする!!」




そういい薫はあたしの涙をふき取った。
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