甘いシロップと香辛料
あたしは薫に抱かれて泣いてしまった。
だって…、うれしかった。
あたし達が、この世にいたこと。
2人が硬い絆で結ばれた"証"を残せる。
………少しまえ――――――
あたしは、子供なんて育てないと思っていた。
できたら、おろす。
相手が、なんと言っても。
邪魔なだけ。
あたしには、不必要。
でもね、今はこんなにも大切なんだ。
ごめんね…、邪魔なんていって…。
あのころのあたしはおかしかったんだ。
変になってたんだ。
でも、薫にあって変わった。