甘いシロップと香辛料




部屋は、普通のリビングであたしは薫のお母さんらしき人に案内された。
そして薫の隣に座る。





座った目の前には、薫のお父さん。
……改めて襲う緊張。
たえきれずに、部屋から飛び出したくなる。
でも、それをしないのは
おなかの子供が大切だから………。






「で、話とは?」




薫のお父さんは、すごい優しそうな目をしていた。
…、本当は分かってる。
予想はついてると思う。


だけど、聞きく。
子供が、言えると思ってるんだね…。
強い、お父さんだな………。




「あぁ、実は、子供ができた…」



ストレートに言う薫。
でも、わかるよ?
手が…震えてる。
いいづらいよね??

でも、言ってくれたってことは
薫も、子供が生まれてほしいって願ってるってことなんだよね?
それだけで、あたしは幸せ。




薫の言葉を耳にしたお父さんは目を閉じた。




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