迷える子羊×不器用男子
「お前さぁ・・・好きな女泣かせてなんとも思わねぇの?」
逢坂がキレぎみに言う。
「お前に言われる筋合いない。大体、女には涙の1つ2つも必要だろ」
はッ!!?なにアイツ!そんなこと思ってたんだ。
・・・サイテー・・・
“バキッ!!”
その時、鈍い音が響いた。
あたしは、ドアを開けた。
そこには健吾が倒れていた。
『健吾ッ!!』
あたしは健吾にかけよる。
さっきまでサイテーとか言ってたくせにね。
頬が切れて、血が滲んでいる。
『逢坂ッ!!あんたサイテーだよ!ここまでする必要ないじゃん!』
なぜかあたしは、逢坂に怒りをぶつけていた。
けど逢坂もやり過ぎだよ!人を殴るなんて・・・。
「お前・・・。俺がどんな気持ちで殴ったかしらねぇだろ??」
『え?』
ガァンッ!!!
逢坂は、保健室にあったゴミ箱を蹴り飛ばして出て行ってしまった。
・・・さっき何て言ったの??