迷える子羊×不器用男子
…午前授業も給食も終わって時は昼休み。
1組には、部活仲間が居るから盛り上がる。
あたしのクラスの3組には、部活仲間が誰一人いないし。
3組に居てもつまらない。
あたしは1組の教室へ向かう。
…本当は1組なんか行きたくないんだよね。
…ドア越しに見える元彼の健吾の姿。
―――2週間前
「俺以外の男を見るなよ!」
『あたしはいつも健吾だけだってばぁ…』
「うるせぇ!」
バシッ…!
『なんで…?』
あたしは自分の頬を抑えながら健吾を見る。
健吾は冷たい目であたしをみていた。
この時確信したんだ。
――あたしは健吾のおもちゃ――
あたしは、“別れて”の一言を書いた手紙を渡して健吾からのメール、電話、手紙をすべて無視し続けた。
『え~りかッ!』
健吾に、分からないようにドアに隠れながら親友の江莉花を呼ぶ。
「まゆぅ~!!」
江莉花に手を摑まれ、1組の教室内へと引っ張られた。
健吾の方を見てみると、あたしを一瞬見たけどすぐに視線をそらされてしまった。
やっぱりあたしのことおもちゃとしか思ってなかったんだよね…。
付き合い初めのときは、すごく優しかったのに。…なんで??
一方的に別れたけれど、健吾はどう思ってるんだろう。
そんなことを思いながら、あたしは昼休みを1組で過ごした。