迷える子羊×不器用男子

光樹side2



逢坂が教室を出て行ったきり帰ってこねぇ・・・。

斜め前の席が空いていることに絶望のようなものを感じた。
しかもっ!関根もいねぇしな・・・。

時計を見てみると8時30分。
あいつ・・・どこ行きやがった??


時間は刻々とすぎ、10時。
俺のイライラはMAX。

授業中にもかかわらず、席を立った。

「逢坂君?どうしたの?」

先生を無視して走り出す。
俺の頭には鈴宮のことしかなくて。

「逢坂君!!」


ただ走り続けた。
でも廊下のところで、太った先公に抑えられた。

「離せよ!!」
「お前はそれでいいのか?これ以上暴れると内申に響くぞ」
「それでもいい。離せっつってんだろ?」

先公の手を振り解いて走ろうとした時には遅かった。

「まじかよ・・・笑」

先公に囲まれてた。しかも男臭ぇヤツばっか。

「これ以上暴れたらどうなるか分かってんな?」

学校終わったら、速攻、涼宮を探す。
こうなったら俺のお得意の二重人格を使うしかねぇな?

「先生方。お騒がせ致しました。実は数学の授業の先生に3分以内に印刷室からプリントをもってこいと言われまして。」

「は??」

先生はキョトンとしている。まぁこれは嘘でその場しのぎでやってるから
別に後でバレっちまうんだけどな。

「すみませんでした。では教室に戻ります」


―――ガララ
教室に戻った俺。

「逢坂君。いきなりどうしたの?」
「すみません。おなかが痛くなってしまって・・・」

アハハ!!クラスは大爆笑。

「もういいわ。席に座りなさい」
「はい」

あ~鈴宮・・・。俺ヤベェよ・・・。
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