迷える子羊×不器用男子
光樹side
アイツ…。遅れてきたな。
バカ女じゃねーかよ。
そういやアイツ俺の隣か。
涼宮が俺の隣に腰掛けた。
「バカ女」
俺は、素直に自分の思ってることを言った。
涼宮は何も言わないで不満そうな顔をしている。
近くで見ると悪くねぇ顔してんな。
意外にコイツ華奢なんだな~。
はっ!!!
何…俺見とれてんだ??しかもコイツに。ありえね~・・・
「顕微鏡を用意してくださいね」
あぁ。実験するのか。
顕微鏡とか面倒くせぇな。鈴宮に任せりゃいーか。
「顕微鏡持って来い」
鈴宮は、また、不満そうな顔で取りに行った。
くそっ・・・。なんなんだ。アイツはっ・・・。
ムカツクとかじゃなくて、俺に不満を持っているアイツを見るのが嫌だ。
「遅い・・・」
他のペアのヤツは、ほとんど帰ってきてるのに鈴宮が帰ってこない。
確か、あいつの元彼も居ねぇな。同じ理科とか最悪だな・・・。
鈴宮となにかヤッてんのか??
焦燥感が俺を煽る…。
「くそッ!こんなん俺らしくねぇ」
胸らへんがモヤモヤする。
俺は仕方なく様子を見に行くことにした。
「・・・いた」
楽しそうに、元彼・高梨健吾と話す鈴宮。
・・・んだよッ!なんか気にいらねぇ。俺には見せない笑顔をアイツだけに見せやがって。
「おいっ!早くしろよ!」
俺は怒鳴った。
鈴宮に早くこっちへ来てほしかった。
本当は、こんな言い方したくない。
でも、出来ない。こんな自分にもイライラするっ!
涼宮は俺に向かって走ってくる途中、顕微鏡を足に落とした。
「鈴宮っ」
無意識に、鈴宮を抱きかかえていた。
保健室に行き、ひとまずコイツをおろす。
『授業は!!?』とパニクってる鈴宮を無視して、気になっていることを聞いた。
「健吾ってヤツとヨリ戻したの?」
戸惑っている鈴宮。
・・・図星だろうな。