泣きたいわけじゃなくて

「うん。1人でどうしたの?」


「私は、明日から始まる部活に向けてボールの手入れをしてるんです。
えっと…中谷さんは?」



「俺はたまたま通っただけ。暇だから手伝おうか?」



「えっ?!そんないいですよ!それに、何時に終わるかも分かんないいし…」



「いいよ。俺も暇だから。
それに同じバスケ部なんだから、ボールの手入れは慣れてるよ。」



「そうだったんですかぁ…。」



「ひどいなぁ…1年の時も同じクラスだったのに覚えてないなんて。」



「知りません…でした。
あっ。そういえば中谷さんって好きな人いるんですか?」




その時は、今朝の美奈が話していた事を思い出して何も思わず聞いてみた。




「えっ?なんでいきなり?!」




「ん〜。ただ本当になんとなくです。」





「アハハ!なんとなく…か。一応いるよ!」



「ほ、本当ですか?」


「うん…?」



その後も、何か喋ったけれどあんまり覚えていない。










なぜか中谷の好きな人が気になっていた。







ー2時間後ー


「はい!これで終わりです!」


「おぉ〜!長かったなぁ。
これで明日から思いっ切り部活できるな!」



「はい!あの、今日は手伝ってくれてありがとうございました!
じゃあ、また明日。」


「えっ!あ、あぁ。じゃあ、また明日!!」


そう言って走っていってしまった。


何だろう?
最後に何か言いかけたような…まぁ、いっか♪
帰ろ〜!


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