君だけしか映らない
そして荒川はオレから少し離れた所に座って昼飯を食べようとする。



「なんでそんな所に座ってんだよ。こっちに来いよ」


「こっちって言われても…」


「いいから早く来いよ。」


半ば強引に荒川を隣に座らせた。



そしてお互い無言で昼飯を食べる。二人しかいないこの状況でこの無言はさすがにつらいな…。




―――と、そんなことを思ったその時だった。



「ぷっ…」



突然の荒川の笑い声にオレは顔を上げる。


「…何がおかしいんだよ」


「ふふ…佐伯くんクリーム付いてるよ。」


「はっ?ど、どこだよ!?」


クリームが付いてるって…恥ずかしすぎるだろ…////


そんなオレの姿に荒川は尚も笑い続ける。



「笑うなよっ!」



咄嗟にオレは荒川の腕を掴み、自分側に引き寄せた。


「お前が取ってよ。」



オレを笑った罰だ。…少し荒川をいじめたくなった。


< 196 / 261 >

この作品をシェア

pagetop