君だけしか映らない
(あぁ…何だか大変なことになってきてる…。)



その噂話は勿論、笑美の耳にも入ってきていた。



(佐伯くんと関わるとロクなことがないわ…。)



そう思いつつも、笑美の足は購買へと向かう。


今は昼休みで、佐伯悠哉のお昼ご飯を買うためにいつものように買いに行っている最中だった。




…そう言えば、1年生の頃も似たようなことがあったっけ。


佐伯悠哉と少しだけ話をすようになったら、クラスの女子から無視されたりとか色々あったよな…。



みんなどうしてわかってくれないんだろう。



佐伯悠哉みたいなカッコいい人が私なんかを選ぶわけないのに。



話しかけられたからって、いちいち思い上がったりしないよ…。




(あっ…!そんなことより早く買わないと!)




―ドンッ!



「あっ!すいません…」


あまりの人の多さにぶつかってしまった。
そして、ぶつかった相手を見て笑美は思わず身構えてしまった。




(町田さん………)



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