君だけしか映らない
「なんで委員長がそんなことやってんの?」



町田さんの視線が鋭く笑美に突き刺さる。



「テストの勝負で負けて…。それでこんなことに…」


「勝負って…!いつの間に悠哉とそんなに仲良くなってんのよ!」



町田さんの声に購買に来ていた人達は、驚いたように振り返ってこちらを見る。



「わ、私もわかんないです…。でも佐伯くんにとってからかうのに丁度いい相手だったんだと思います…私は。」



「…ねぇ、普段パシリってどんなことしてるわけ?」



「え…?今みたいにお昼ご飯買いに来たり、佐伯くんのカバンとか荷物持ったり、ジュース買いに行ったり…かな」



「え?本当にそんなことしてるの?」



笑美の答えに町田さんは意外な反応をする。



(何を驚いているんだろ?別に変なこと言ってないけど…?)



「…それじゃ本当にパシリじゃん。」



「…?そうだけど…」



(だからそう言ってるじゃん!一体町田さんは何が言いたいんだろう…?)




「私はてっきりパシリっていうのを口実に、休みの日に二人で会ったりしてるのかと思ってた。」



「え!?何言ってるの!?そんなことするわけないじゃない!」



どっからそんな発想が出てくるんだよ…。
休みの日にまで佐伯悠哉に会うなんて、考えられないよ!



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