君だけしか映らない
―――その日の夜。
時刻は9時を回った頃だった。
今日はバイトは休みで、笑美は机に向かい今日の授業の復習をしていた。
――ブーブーブー…
突然、マナーモードにしている携帯が鳴った。
「誰だろ…?こんな時間に珍しいな。」
そう言って携帯を見ると、まさかの人物の名前が。
(えっ…!?なんで…?)
戸惑いながらも通話ボタンを押した。
「…もしもし?」
『遅い!さっさと出ろよ』
「なっ…!いきなりかけてきて、それはないんじゃないの?」
このオレ様口調…。相変わらず腹が立つ。
電話の相手は佐伯悠哉だった。