君だけしか映らない
―キーンコーンカーンコーン
そして授業が終わり、昼休みのチャイムが鳴った。
―ガタッ
(……!!)
隣で佐伯悠哉が席から立ち上がる音がした。
だか佐伯悠哉はそのまま笑美の横を通り、教室を出て行った。
いつもなら真っ先にお金を渡してくるのに…。
ホント急にどうしたんだろう…?
昨日までパシリを辞めるようなことは言ってなかったのに…。
急に飽きたとか?
まぁ…
飽きたんだったらそれでいいけど。
…私もそれを望んでいたことだし。
―――結局、
次の日もその次の日も、佐伯悠哉にパシられることはなかった。