君だけしか映らない
「ちょっと落ち着けって!」


少し大きめな声で佐伯悠哉は笑美の言葉を制す。



「なんか勘違いしてるみたいだけど、オレは別にお前のこと…嫌いじゃないから。」



「え……?」


じゃあなんであの時…



「『そんな顔でオレを見るな』って…」



「それは…!」


その途端、佐伯悠哉の顔がほんのり赤くなった。


「っ……!そこまでオレに言わせるな。」


その表情はあからさまに照れている感じだった。


(なんで照れてるの?よくわかんない…。)


少し困った顔をした笑美を見て佐伯悠哉が再び口を開く。


「とにかく!オレはお前のこと嫌ってないから。だから…そんな顔すんな。わかったな?」



その言葉に笑美の心のモヤモヤは少しだけ薄れた。


「うん…。」


そう返事を返した。


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