君だけしか映らない
「委員長!よかったら私が代わるけど?」


「ちょっと自分だけ抜け駆けなんてズルい!!」


(代わってくれるならありがたい!!佐伯くんだって私が側にいるよりかわいい子が側にいる方がいいだろうし。)


「うん!代わってくれるなら是非…」



「何言ってんのお前?」


佐伯悠哉が笑美の言葉を制する。


(うっ……!そんな恐い目で睨まないでよ…)


「約束はちゃんと守れ。」


「………はい。」



そんな二人のやり取りに加藤がフッと笑う。


「いや、でも意外に委員長ってパシリっぽいかもな」

また何を言い出すんだこの男は。


「…どういう意味ですか」


「だって地味な委員長にお似合いじゃん。パシリってだいたいそういうやつがやるじゃん。」



「っ………。」



正直ムカついた。でも地味なことは確かだし、相手が加藤ということもあって言い返せない。


加藤は思ったことは何でも口に出すタイプで、かなりの面食いであった。


だから笑美のような女子にはいつも冷たい言葉しか言わない。
笑美にとっては佐伯悠哉よりも厄介な相手だった。



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