君だけしか映らない
あ〜もう帰りたい…。


下駄箱から教室に来るだけなのに、精神的にこんなに疲れるとは…。


やっぱり、あの人達と私とじゃ全然違いすぎる。

住む世界が違うよ…。



「委員長どしたの?朝から暗い顔して。」


「えっ?」


とっさに顔を上げると、前の席の女子が心配そうに顔を覗きこんでくる。



「い、いや別に何でもないよ。ちょっと考え事してただけ。」



「そうなの…?それより、さっき下駄箱で見ちゃったんだけど、佐伯くんと揉めてたみたいだけど大丈夫だった?」



(あれを見られていたのか…。)


「いや、別に揉めてたわけじゃないんだよね…。ただちょっとワケありで…。」

「何そのワケありって。怪し〜。」


「いや、怪しいことなんて何一つないからね。」


「でもいいな〜。佐伯くんと話せて。」



「え?…そうかな。」


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