君だけしか映らない
それはどのことについての謝罪なんだ…?



「…お前が数学のノートを集めてくれた時『委員長ってのを口実にオレらと話したいんじゃないのか』って言ったろ?」



「あぁ…うん。」


「お前がそんなやつじゃないってわかってるはずなのに…ついアイツらの前だと余計なこと言っちまって…本当に悪かったな。」



佐伯悠哉の謝罪の言葉に笑美はポカンとしてしまった。まさか佐伯悠哉がこんな素直に謝ってくるなんて夢にも思わなかったからだ。


「…明日は雪が降るかも」

「は?お前何言ってんだよ」



「だ、だって佐伯くんが素直すぎてなんだか変なんだもん!」



「お前…!!」


途端に佐伯悠哉の眉間にシワが寄る。



「だ、だって!!佐伯くんってなんでも強引でオレ様な感じだから…!!こんな素直になられると調子狂うよ」


「これ以上…お前に嫌われるわけにはいかないから」


佐伯悠哉が小さな声で呟く。



「え?今なんて言った?」


「聞こえてないならいい!!」


そう言った佐伯悠哉の顔はほんのりと赤くなっていた。


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