ショコラ番外編~小さな恋の終わり~
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 家についたのは、午後の5時を回っていた。

まっすぐ帰りたくなくて、ぶらぶらしていたからだ。


時は2月。

風が寒くてダウンジャケットを着ていてもうすら寒い。

玄関に入ってホッと息をつくと、コーヒーのいい匂いがした。


……お姉ちゃんが、いるんだ。


2年前に結婚したお姉ちゃんは、
家から車で20分くらいのところに住んでいて、
お義兄さんが泊まり出張とかになると、
すぐ実家であるこの家へ帰ってくる。

もうじき1歳の誕生日を迎える子供のおっぱいが外れたからと、
最近はコーヒーばかり飲んでいる。

元々が無類のコーヒー好きだった。
中毒といってもいいくらい。

それが妊娠中と授乳中はきちんとコーヒー断ちをしていたんだから大したものだと思う。


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