ショコラ番外編~小さな恋の終わり~
公園は、寒い時期だからあまり人気が無かった。
駅に出る近道として通りすがる人は何人かいたけれど、
その場で遊ぶ人は殆どいない。
私は比奈を連れていたので、仕方なく滑り台の方へ行った。
「ねーね」
滑り台の方に手を伸ばす比奈を、ベビーカーからおろしてやる。
比奈はまだ歩きが安定してない。
2人の事が気になるけど、比奈からも目が離せなかった。
体を押さえてやりながら、滑り台で遊ばせる。
時折り少し離れたところで話をしている2人に目をやれば、
互いに俯き合ったり、何かを言ったりしているのが見えた。
……何話してんだろう。
まさかヨリを戻そうとかじゃないよね。
だとしたらお義兄さんに告げ口してやるから。
胸がじくじくと痛む。
こんな気持ち嫌なのに、止まらない。