ショコラ番外編~小さな恋の終わり~
憎むのは、楽だった。
自分の中のこういう気持ちを向きあう必要が無くて。
自分を守ったまま、ただ他人を否定すればいいだけで。
告白するって、こんなに怖い事だったんだ。
それを乗り越えて、お姉ちゃんも和美も強くなったんだ。
そう思ったら、今までの自分が恥ずかしくなった。
沈黙は、何分くらいあったんだろう。
俯いてる私の頭に、彼の大きな手が乗って、髪をくしゃくしゃとかきむしる。
そうして振ってきたのは、意外な言葉。
「……ありがと」