積もる思い、真実の愛。
Limited 3
「あっきー、ウチで仕事してよ?」
「…突然ですね」
親父のツテもあるからと、いくつか興味のあった大手企業に絞り始めた頃。
「あら。突然にしては“デキた”タイミングとは思わないの?」
じつに美味そうに紫煙を吐き出した、柚希さんの一言がキッカケだった。
彼女の実家がひいきにするホテルのラウンジで、待ち合わせをさせられたかと思えば。
サングラスを外したセレブまがいな彼女に、開口一番で告げられたのが冒頭の言葉だ。
「――どういう意味ですか」
「うふふ、さぁねぇ?」
男を瞬殺で虜にするだけある柚希さんの余裕の微笑に、俺は溜め息をつきたくなった。