積もる思い、真実の愛。


アパレル業に従事して分かったのは、センスは元より素早さが求められるから。



毎日バタバタ慌ただしく過ごしているウチに、あっという間に4年が過ぎていた。



入社当時には新ブランドだった“-ange-”も、すっかり定番となり始めていて。



本当にソレを気にする間もなく、奔走していた俺の肩書きがチーフへ変わった頃。



まさかのサプライズ…、もとい柚希さんの陰謀だろうと思える事態が起こった。





「あ、尭くん…!」


「・・・」


おい社内だろ。幾らなんでも名前で呼ぶなっての。



とは言える訳もなく、とりあえず空気の読めないアホな新人を睨みつけた。



< 13 / 28 >

この作品をシェア

pagetop