積もる思い、真実の愛。
アパレル業だからこその、お洒落な新入社員が今年も入っては来たのだが。
これは絶対に違うと思うぞ。何かの陰謀が働いていたに違いないのでは…?
「う…うそ、だ」
綺麗に巻いた髪を気にする事なく、頭を抱え始めたアホの代名詞である望未。
「俺のセリフだっての。アホ」
おかしいぞ。人事部からの通達では、爽やか系の男が配属決定していたのに。
「――アホじゃないもん!」
「うるさい。それと、これでも俺はオマエの上司」
「っ、す…すみません!」
どうして、この呑気でチヤホヤされてきたお嬢様なんだ?
それが俺の初恋らしい女を、部下に従える事となった日の出来事――…