積もる思い、真実の愛。
柚希さんの権限からコイツが配属されて、呆れた溜め息を吐き出す回数が激増した。
簡単な書類作成を頼めば、なぜこの漢字を?という字を間違えているし。
今のようにコピーを頼めば、よくプリントミスか数を間違えたりもする。
ついでに言葉の使い方が間違っている事が、常々ありすぎる…。
「社会人としては元より、日本語が間違ってる」
「えーと…、私って創作語学好きなんです」
「アホ。その前にイチから日本語学べ」
決まって俺が締めに使うのは、もはや常套句と化した“アホ”だ。
ダメだ、アホすぎる。ていうか、コイツにオフィス仕事は向いてない――
こうして、まずは上司として教育的指導を重ねなければならなかった。
少し年が離れていたせいか、いつも周りにチヤホヤされる環境にあった望未。
そのうえエスカレーター式の女子校でも、これは妹キャラとされていたに違いない。