積もる思い、真実の愛。
しかし、憎めない愛嬌の良さがコイツの何よりのセールスポイント。
これは祐史さんに、ベタベタに甘やかされた代物に外ならないからムカつく。
そんなアホの代名詞の女と、日を追うごとに何か進展があったのかといえば…。
「な、中嶋チーフ、これは如何でしょうか…」
「却下。これだと何が主体にしたいのか全く分からない。
もう一回よく考えて来い。その頭で必死に」
「…はい、すみません」
提出してきたレジメにNOを突きつけ、今日も自席へと戻る彼女を見つめるだけだ。
望未は入社して1年半が過ぎた頃に、ようやく社会人らしさが身についたが。
あのヘタレに世間知らずの女を、ゼロから教育した俺の気苦労をいたわって欲しい。
ただし時間が経つにつれて、かく言う俺もまた大きな誤解をしていた事に気づく…。