積もる思い、真実の愛。
あんなに小さかった背中が、女性らしさと色気までまとうようになったから。
ガキんちょだと思っていたクセに、笑った顔を見る度にドクリと鼓動が高鳴り。
小さな頃の面影を残すソレを、もっと引き出したいと思うようになっていた俺。
“のん、またダメンズに引っ掛かったぞ”
多方面から入る情報を耳にする度、ますます距離が遠のいていると分かっていた。
次々とアイツにデキる男の存在に焦りながらも、いつも後悔が先立ってしまった。
“のんは絵が上手いから、将来デザイナー?”
“えー、本当?”
“ああ、のんの良さは俺が一番分かってるよ”
“エヘヘ、ゆーくん大好き!”
幼かった頃の祐史さんと望未のやり取りとその絵を見て、密かに嘲笑していたけど。
アホ呼ばわりばかりするだけで、良い所を何ひとつ汲んでやれていなかったんだ。
何も知らずに偏った面から望未を見て、イラいたのは浅はかな俺だから――…