積もる思い、真実の愛。
Limited 5
そう。今まで望未の近くに居ながら何にも分かってなかった俺には。
男に傷つけられていても、アイツへ日々募る感情など言える訳が無い。
アイツの良さも分からずに、外面ばかりを欲したヤツらに腹を立てていたクセに。
考えてみれば俺もまた、望未の歴代の彼氏どもと何ら変わらなかった。
大人になって再度近づいてから、コイツの良さを知るとは皮肉なものだ…。
「チーフ…、もう少しくらい優しくして下さい」
「つけ上がるから却下」
「いえいえ、標準的な優しさが…」
「興味無い」
「うわ、陰険…!」
「上司に盾つく方が問題だっての」
このまま嫌味たらしい昔馴染みの上司でいた方が、関係も何も壊れないと。
ガキみたいに優しくすることが出来ず、大人になれないでいた本心に嘲笑した。