積もる思い、真実の愛。
今さらとしか言えない、次々と気づかされる様々な後悔が入り混じるたび。
日ごと募る想いを隠す事が、何よりもバカげていると思えてしまった。
「…朝比奈、早く上がれ」
「え?は、はい…」
気づいたら発していた言葉は、最初で最後のチャンスに懸けていた――
ここで男として見て貰えなければ、以降はただの上司として徹する。
もし…万が一に何かが変われば、そんな事を思いながらも。
何よりも作り笑いのヘタなアホに、早く心から笑って欲しかった。
望未が安心して泣けるのは、昔から祐史さんの胸だけだから。
アイツが真実の愛に辿り着くまでは、最後の悪あがきをさせて欲しい。
俺が出来る事といえば、アイツの怒りと笑いを引き出すくらいだ。
どう考えてもフラれるが、せめてこの行き場の無い想いを無にする前に――…
【募る想い、真実の愛。★終】