積もる思い、真実の愛。
受け取ったクッションをベッドへ置いてから、改めて希をジッと捉えた。
さっきまで笑顔で甘えていた彼女が、ボロボロと涙を零しているのを見て。
「…ごめん。今ごろ気づいた」
「な、なにを!?」
「希よりもアホ女が好きらしい」
何よりも認めたくはないが、ソレを認めてしまったのが、この瞬間。
アホ女だと冷たくあしらって、自ら距離を置いていた理由も分かった。
ヘラヘラ笑っているのにムカついて、泣かせていたのは一体誰だよ…。
“本当にごめん”と告げると、希のマンションを静かに出る事にした。
そろそろ就活も本格化する時期に、ひとつの答えが出て動揺するとは。
何だコレ。散々冷たくしておいて、今ごろ気づくってアリか…?