じぇりぃんびぃんず





今日は始業式だから午前授業

桜の花びらが沢山つもっている帰り道

わたしは夏依と
2人で歩いていた

「もう3年生になったかぁ」

夏依がさりげなく
呟く

「うん…なんか早いねっ」

「俺なんてついこの間まで小6のときに行った移動教室気分だったんだけどなぁ」

「えっそれはないっ
夏依だけ、まだ頭も記憶も小学生ってことだねっ」

「そうなのかっ!?」

夏依の天然っぷりにクスッと笑っちゃう

「そういえば、最近行ってないね~ブランコ公園」

「だなぁ…」

ブランコ公園ってのは学校の近くにある小さな公園
遊具の点検のため
今はブランコは使えない

─…わたしたちが
自分の気持ちを叫んだ場所

「また行こうな」

夏依が手をさりげなく握る

わたしは夏依の
こんなさりげないところが好き

「うん!いつ点検終わるのかなぁ~」

わたしもそっと
握り返す

「あ…」

夏依が顔を真っ赤にする
大きな目をぱっちり見開いて

「やっぱ、おまえ、かわいいな!」

< 8 / 10 >

この作品をシェア

pagetop