じぇりぃんびぃんず
☆
今日は始業式だから午前授業
桜の花びらが沢山つもっている帰り道
わたしは夏依と
2人で歩いていた
「もう3年生になったかぁ」
夏依がさりげなく
呟く
「うん…なんか早いねっ」
「俺なんてついこの間まで小6のときに行った移動教室気分だったんだけどなぁ」
「えっそれはないっ
夏依だけ、まだ頭も記憶も小学生ってことだねっ」
「そうなのかっ!?」
夏依の天然っぷりにクスッと笑っちゃう
「そういえば、最近行ってないね~ブランコ公園」
「だなぁ…」
ブランコ公園ってのは学校の近くにある小さな公園
遊具の点検のため
今はブランコは使えない
─…わたしたちが
自分の気持ちを叫んだ場所
「また行こうな」
夏依が手をさりげなく握る
わたしは夏依の
こんなさりげないところが好き
「うん!いつ点検終わるのかなぁ~」
わたしもそっと
握り返す
「あ…」
夏依が顔を真っ赤にする
大きな目をぱっちり見開いて
「やっぱ、おまえ、かわいいな!」