“未来”
「初仕事が、祖国の敵討ちになるなんてな……」
小声でそう呟くと、彼は手袋を外して手に浮かぶ汗をハンカチで拭く。そして壁と便器の間に置かれてあった、黒いビニール袋のようなものを拾い上げた。
その中から、黒光りする2つの物を取り出す。
内1つ、ピストルを取り、柄の下側のふたを開いて弾が十分に込められているかを見る。確認が終わるとそれをスーツの内ポケットにしまい、もう一つの物であるナイフを鞘から引き抜いた。
ダガーの刃と刀身の長さを確認してやはりスーツにしまい、それらが入っていた袋を2つに引きちぎって細かくする。
そして再び手袋をはめて便器のふたを開け、袋を水の中に落とすと、それはたちどころにふやけた。
まるで紙のように。
水を流し、詰まらないことを確認して彼は個室から出る。
腕時計を見やると、時間はAM8:56に進んでいた。
「行動開始、1時間前――」
そう言って、彼はスーツから取り出したサングラスをかけて歩き出した。
小声でそう呟くと、彼は手袋を外して手に浮かぶ汗をハンカチで拭く。そして壁と便器の間に置かれてあった、黒いビニール袋のようなものを拾い上げた。
その中から、黒光りする2つの物を取り出す。
内1つ、ピストルを取り、柄の下側のふたを開いて弾が十分に込められているかを見る。確認が終わるとそれをスーツの内ポケットにしまい、もう一つの物であるナイフを鞘から引き抜いた。
ダガーの刃と刀身の長さを確認してやはりスーツにしまい、それらが入っていた袋を2つに引きちぎって細かくする。
そして再び手袋をはめて便器のふたを開け、袋を水の中に落とすと、それはたちどころにふやけた。
まるで紙のように。
水を流し、詰まらないことを確認して彼は個室から出る。
腕時計を見やると、時間はAM8:56に進んでいた。
「行動開始、1時間前――」
そう言って、彼はスーツから取り出したサングラスをかけて歩き出した。