天使の悪魔



「うっゎ……」

声を中途半端に上げたまま、震わせた唇は彼の唇で塞がれる。


………って、

またキスされてる?!?!

何なんだよコイツ、ファーストキスを奪う上にセカンドキスまで?!


そう冷静に考えられたのもほんの5秒ぐらい。

次の瞬間、早くも酸欠状態で頭がフラフラする。

そして頭がますますイカれそうになってしまうのは、一回目は軽く当たったみたいだけだけど、こ、今回はっっ!!

………ディ、
ディープキス?!


酸欠!!酸欠!!!

ただでさえ肺活量が最低な私を、殺す気かっ!!
(意外とぴんぴんしてる)


全身の力を我が左手に送り込んで、全力で千葉さんの体を叩く。

……ビクともしてくれない。


「……っは…」

微かに漏れる空間から、息を吸おうとするといやらしい声が漏れる。

恥ずかしくて、指先まで赤く熱くなる。



もうやだ……、気持ち悪い……!!


目に涙を滲んだ瞬間、唇が離れた。



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