【超短】また明日
「待った?」
「ううん。待ってないよ。」
…『面会』
この5分間は彼女にとってとても短く、大切なものに違いない。
「そっか。調子はどうだ?」
「全然平気!学校にも行けちゃうぐらい!」
彼女は青白い顔で、自分が作れる精一杯の笑顔で笑った。
無理しなくていいのに、と僕も笑った。
彼女は身無し子である。
僕の家の隣には孤児院があって、そこの窓から彼女は僕のことをずっと見ていた。
ただじっと、僕のことだけを見ていた。
ある日、彼女が病気で倒れたと聞いて僕は病院へと駆け込んだ。
何故か放っておけなくて。
僕が行かなくちゃならない気がして。